うちやま料理ものがたり
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第2回 『軟水』と『硬水』のお話
 

日も長くなってきました。一年で最も明るい時間が長い時期。
夕暮れの散歩が楽しい時期です。もうしばらくすると、暑い夏がやってきます。
この時期、お腹を壊す人も多くなります。キチンと食べることと、冷たい食事に気をつけて欲しいです。

最も身近な食材「水」の話。
料理人の中でも「水」は当たり前の存在と感じる人も居ると思います。食材の一つとして捕らえている人は、かなり深く料理を捕らえているのでしょう。日本料理は、時にして『水の料理』とも表現されています。日本の水は、世界に誇れる素晴らしい水なんです。

「硬水」と「軟水」という言葉を知っていますか?
書いて字のごとく、飲んだ感じがそのままの表現です。「硬水」は、硬く締まった感じで少し苦味すら感じるかもしれません。「軟水」は、口当たりが柔らかく喉越しも優しい。甘みを感じる人も居ます。

もうお判りだと思いますが、日本の水の多くは軟水です。”◎◎◎のおいしい水”など、日本の水は、世界でも高い評価を受けています。
ちなみにフランス・パリの3星のレストランでは、500mlのペットボトルの水が、日本円で3,000円以上するところもあるそうです。

軟水の最大の特徴は、素材の旨味が素早く溶け出すことができることです。カツオや昆布の出汁に代表される日本料理の基礎は、ここから始まっているのです。そう!お茶の文化もここから生まれています。

一方、硬水は地面に含まれたミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム)などをたくさん含んでいます。大陸のゆっくり流れる川の水が滲み込んだり、アルプスの雪解け水が地中を通って滲み出すからです。
硬水は、じっくり時間をかけて煮出す料理に適しています。洋食のコトコト煮込むブイヨンやビーフシチューに代表されますね。

実は、イタリアで食べるパスタがプリプリでもちもちの食感が生まれるのも、イタリアの水が硬水だからです。同じパスタを持ち帰っても、日本で食べるとそれほど美味しくなかったり、というのは何も気分や雰囲気だけでないんですね。

ちなみに、日本の中でも関東と関西では水の質が大きく違います。関東は”そばの文化”関西は”うどんの文化”と言われます。
その訳にも、キチンと自然の流れと、それを感じて上手く料理に仕上げた先人の知恵が隠れています。

次回は、日本の中の関東と関西の味や料理の違いについてお話します。

 

 
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