うちやま料理ものがたり
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第4回 料理人の白衣
 

暑い毎日、夏本番へ突入の様相を呈してきました。こんな季節に、我々料理人が最も気をつけなければいけないのが「衛生管理」です。ちょっとした油断や気の緩みが大きな事故を引き起こすことを肝に銘じなくてはなりません。

さて、白衣のお話です。
私がヨーロッパで働いていた頃の白衣(コックコート)は、画一的で同じようなデザインのものばかりでした。最近では、個性溢れるさまざまな形やデザイン、ファッショナブルなものから斬新なスタイルまで幅広く着られています。カラーもいろいろで、真っ赤なものから黒い白衣(???)まであります。

しかしながら、白い衣服が象徴するものは、「清潔さ」と「清廉潔白」です。白衣を着る仕事は、”医師”、”薬剤師”そして”料理人”。嘘偽りの無い心の誠実さと純粋さを示す証です。結婚式の”白無垢”にも、清楚で清らかな心を表しています。

白衣を着る料理人の心得を示した古い書にもこんな文面があります。
「調理場に入ったら、まず己を整え、調理に専念しなければならない。調理場での白衣は、清潔のためのものだから、汚れたものを着ていたり、白衣のままで調理場を出て街路にまで姿を現すなどは、もってのほかのことである。自分の身の回りが常にきれいで、調理に余計な邪魔物などが混入しないための白衣(コックコート)である。」

姿・形だけでなく人の生命をも脅かす仕事に対する心構えとして、白衣を着た瞬間からその責任を負うのです。

清潔さはもちろんですが、どんな色にも染まることができる「白い衣」を着て、お客様の要望という色に料理を染める。
そんな素直で純粋な心で調理場に立って欲しいと思います。

 

 
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